活動報告

2020年04月22日(水)一覧に戻る

令和2年4月3日厚生労働委員会 新谷正義_質問議事録

(新谷委員)
 自由民主党の新谷正義でございます。

 本日は、質問時間をいただきまして、まことにありがとうございます。

 新型コロナウイルスが猛威を振るっている状況が続いております。世界全体が大きな危機に直面しておりまして、この感染症により、我が国もまさに国難と言える状況にあるとは思います。引き続き、国を挙げて、感染拡大防止に全力で取り組んでいかなければなりません。

 政府におかれましても、感染症対策、経済対策、さまざまなこと、やれることは全てやる、その決意のもとで引き続き全力で取り組んでいただくことを改めてお願いを申し上げます。

 特に、感染症対策につきましては、国民に対し、まずは、せきエチケットを強く要請する、そして、手洗い、うがいの徹底を呼びかける、密閉、密集、密接の条件がそろう場所、いわゆる三密の場所には行かないようにするなど、そのことを伝えていくこと、これは基本的なことでございますけれども、やはり最も予防効果が高いことを改めて徹底していくようお願いを申し上げます。

 今、経済においても深刻な被害が発生をしている状況でございます。事業活動縮小に追い込まれる業種が多岐にわたる中で、迅速に雇用調整助成金の特例措置の拡大を決定いただきましたことには深く感謝を申し上げます。

 しかし、宿泊業、飲食業を中心に、運転資金が底をついてしまう、こういった悲鳴を多く聞くところでございます。状況は、本当に厳しい状況にございます。日本政策金融公庫における無担保無利子の融資も拡大いただいておるところではございますけれども、やはり、雇用調整助成金をできるだけ早く支給してほしいという声を多くお聞きするところでございます。こうした危機的な状況のもとでは、一日でも早く、できるだけ迅速な支給決定をなすべきと思いますが、厚生労働省のお考えをお伺いいたします。

(達谷窟政府参考人)
 お答え申し上げます。

 雇用調整助成金につきましては、事業主の負担を軽減し、迅速な支給が可能となるよう、これまでも手続の簡素化や各労働局の体制整備等に努めてきたところでございます。

 このような中、三月二十八日に公表いたしました助成率の引上げ等の特例措置の拡大とあわせまして、今般、事務処理体制の強化、手続のさらなる簡素化を行うことなどにより、さらなる支給迅速化のための措置を実施する予定でございます。

(新谷委員)
 ありがとうございます。

 重ねて雇用調整助成金の質問となりますが、このたびの特例措置の拡大は四月一日からということでございます。

 しかしながら、地元の声を聞くと、雇用調整助成金の対象が最初に拡大された一月二十四日までさかのぼって適用してほしい、そのような要望も多くいただいているところでございます。

 国民の生活を守り、経済を縮小させないという目的を考えれば、現下の状況では、やはり失業や廃業を防ぐ意味でも雇用調整助成金の特例をこの一月二十四日まで遡及すべきであると考えておりますが、いかがでしょうか。

(達谷窟政府参考人)
 お答え申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえまして、雇用調整助成金につきましては、第一弾として二月十四日に、さらに第二弾として三月十日に、その時点での雇用、経済状況を踏まえて、必要な特例措置を実施してきたところでございます。

 特に、第二弾の特例におきましては、北海道のように、新型コロナウイルス感染症患者が他の地域に比べて多数かつ集中的に発生し、かつ知事による緊急事態宣言等により企業活動が他の地域よりも抑制される地域を指定して、上乗せ助成等の追加支援を行ってきたところでございます。

 しかしながら、今般、新型コロナウイルスの感染拡大が見られ、全国的に企業活動の抑制が見られること、及び観光産業を中心に雇用の影響が幅広く及んでいることなどを踏まえまして、四月から六月までの三カ月間を緊急対応期間として、当該期間中の失業等につきまして、助成率の引上げ等の追加的な支援を全国に展開して実施することとしたところでございます。

 今後とも、雇用調整助成金につきましては、経済、雇用情勢がどのように推移するかをしっかり見きわめながら、状況に応じた必要な対応を講じてまいりたいと考えてございます。

(新谷委員)
 ありがとうございます。これから広がってくる感染症、状況の中で、しっかりと状況を見きわめて、柔軟な対応をお願いしたいと思います。

 また、この助成金については若干手続面でも課題が残っている、そのように聞いておるところでございます。

 労働局は厚生労働省の直轄の組織でございますので、統一的な対応がなされるべき、そのように思っておりますが、助成金の申請に当たって、労働局によって少し差があるんじゃないか、そのようなことも伺っておるところでございます。申請に当たっては、どの労働局でも統一的な手続とした上で、全国的に、どの労働局でも迅速な対応をお願いしたい、そのような声をいただいておるところでございますが、お考えをお伺いいたします。

(達谷窟政府参考人)
 お答え申し上げます。

 必要な書類作成等の手続に関する相談内容等につきまして、各都道府県労働局において対応が異なるということはあってはならないことでございます。このようなことが生じないよう、都道府県労働局に対して徹底をしてまいりたいと考えてございます。

 また、迅速な処理につきましては、先ほど申し上げましたとおり、今般の特例の拡大にあわせまして事務処理体制の強化を予定してございまして、このような取組を通じて、さらなる迅速化に努めてまいりたいと考えます。

(新谷委員)
 ありがとうございます。ぜひ徹底をお願いしたいと存じます。

 今後の経済収縮の危機に対して雇用調整助成金は非常に有効な手段となり得ると私は考えております。将来的にはやはりこの手続のところに課題になるところがございまして、電子申請ができるような環境整備も必要であろうと思われます。いずれにせよ、迅速な対応をお願いしたいと存じます。

 次に、感染症対策について質問させていただきます。

 今、爆発的な感染拡大を伴う大規模な流行の危険がある状況の中で、医療崩壊を防いで日本の医療体制を保つことは急務となっているところでございます。医療崩壊は爆発的感染が生じた場合にのみ起こる事象ではない、そのように考えております。クラスターが頻繁に報告される現状では、その爆発的感染が起こる前にも医療供給体制に限度を超える負荷がかかって、医療提供体制が機能不全になる可能性がございますし、また、先日の政府専門家会議でも同様の指摘がなされているところでございます。

 そのような中、医療提供体制に関し、今こそ、医療機関、国、自治体の間で指標となる考え方が示される必要がある、そのように思っております。医療機関のみならず、保育、介護、障害者施設などにおいても同様のことが言えると思います。

 医療提供者の感染は、現状でも発生し続けております。医療提供体制を保つために医療従事者の感染を防ぐのは当然に必要となりますが、一方で、感染リスクの高い医療従事者から更に患者等に感染を拡大させないように注意をしていかなければなりません。現在、施設運営に当たっての人員配置基準を下回る状態、いわゆる標欠と言われるところでございますが、その標欠の状態に対し、特例措置の通達が出ておるところでございます。

 しかし、発熱が続いている場合、あるいは濃厚接触の疑いが捨て切れない場合など、感染とまではなっていないにしても、そういった医療従事者を休ませた場合にどのような扱いになるか、これがまだ明確に認識をされていないのが現状だと考えております。無理に出勤してしまうことがないように、この場合、柔軟な対応を明示しておく必要があると考えておりますが、政府の方針をお伺いします。

(浜谷政府参考人) お答えいたします。

 まずは、一般的な診療報酬上の取扱いといたしまして、入院基本料等における緩和配置等につきましては、基準の一割以内の変動であれば従来の基準を満たしているものとして取り扱ってよいこととしております。

 また、今般の新型コロナウイルス感染症への対応といたしまして、学校等の臨時休業に伴い入院基本料等の緩和配置等を満たすことができなくなった場合につきましては、当面従来の基準を満たしているものとして取り扱ってよいこととする旨の要件緩和を行っております。

 加えまして、御指摘の発熱等の場合等、御指摘の点も含めまして、職員の配置等に係る弾力的な対応の明確化につきまして、個別の事例の状況も伺いながら、必要に応じて速やかに検討、対応してまいりたいと考えております。

(新谷委員)
 ありがとうございます。やはり、これは、しっかりした体制で臨むために、事前に明示をしていただく、迅速にこれを伝えていただくということが大事だと考えております。力強い答弁をいただきまして、ぜひよろしくお願い申し上げます。

 さらに、今後、流行地域におきましては、感染症指定病院ではない一般の病院でもこの新型コロナウイルス感染者の入院受入れがふえていく可能性がございます。当然ながら、ほかの入院患者さんからは隔離をせねばならず、その分、通常の入院患者さんの四人部屋に例えば七人入ってもらうとか、そういったことが考えられるところでございます。

 このようなときも、面積要件などを含めまして、診療報酬上柔軟な対応をしていくことを前もって示しておく必要があると考えますが、政府のお考えをお伺いしたいと存じます。

(浜谷政府参考人)
 お答えいたします。

 御指摘にもございました、受入れ患者数をふやすといった対応を行いやすくするために、まず、新型コロナウイルス感染症の患者の受入れ対応に際しまして、病室の定員を超過して入院させること等が医療法違反とならないことを明確化いたしました。また、御指摘の診療報酬につきましても、一時的な定員超過であれば報酬を減額しない取扱いとすることも周知いたしております。

 今般の新型コロナウイルス感染症への対応に関係するルールの特例、緩和等につきまして、折々に重ねて周知徹底をいたしますとともに、制度を運用する上でのさまざまな懸念、疑問にも速やかに対応し、また、先ほど申し上げましたような、弾力的な対応についての検討、対応を速やかにさせていただきたいと思っております。

(新谷委員)
 ありがとうございます。ぜひ、弾力的な運用をお願いしたいと存じます。

 また、今後、入院医療が不足する可能性がある都道府県、これは、軽症者は自宅療養を求める旨、政府対策本部の決定がなされたところでございますが、言うならば、人工呼吸器が必要なほど重症ではないにしても、点滴が必要であるとか、あるいは何かの理由で在宅では管理が難しい、重症でも軽症でもない中等症をどうやって扱うか、これは一つ課題になってくると考えているところでございます。また、軽症者であっても、独居で暮らしているなど、在宅では対応が難しい場合も大いに考えられるところでございます。

 今、入国制限、外出自粛によりまして、各地域の宿泊施設は非常にあきが多くなっているところでございます。この施設に対して、今のうちに、軽症から中等症の新型コロナウイルス感染者の療養に当たる施設として、これは要請に応じてくれる場合に限りますが、宿泊施設を各地域で借り上げて確保しておく必要があるんじゃないか、私はそのように思っておるところでございます。

 その場合、宿泊施設スタッフに対する感染防護対策、あるいはスタッフの方々へのマニュアルの作成や徹底、これらが事前に必要になりますし、また、借り上げた場合は、借り上げが終わった後も消毒の徹底あるいは風評被害対策といったことが必要になると思われますが、今後の感染拡大の可能性に備えてやはり今のうちからこういったことに取り組んでおく必要があろうか、そのように思っておるところでございます。

 宿泊施設の借り上げ、こういったことに関しまして、本日厚労省から何か発表があるというふうに伺っておるところでありますけれども、政府のお考えをお聞きしたいと存じます。

(宮嵜政府参考人)
 お答え申し上げます。

 委員からも今御指摘ございましたが、今後、各地域で患者数が大幅にふえた状況におきましてはそれぞれの地域でどのようにして医療提供体制の整備を図っていくかということが課題でございますが、これに対しまして、三月十九日の専門家会議の提言、また三月二十八日に策定されました基本的対処方針におきまして、患者が増加し重症者等に対する入院医療の提供に支障を来すおそれがあると判断する都道府県では、厚生労働省に相談の上、軽症者等は自宅療養とすること、自宅療養とする際、家族構成等から高齢者や基礎疾患を有する者等への感染のおそれがある場合には、地方公共団体は、軽症者が宿泊施設等での療養を行うことや、同居家族が一時的に別の場所に滞在すること等、家族内感染のリスクを下げるための取組を講じること等を政府として示させていただいております。

 また、昨日、四月二日になりますが、新型コロナウイルス感染症の軽症者等宿泊療養マニュアルというものを公表いたしまして、その中で、都道府県等において軽症者に一定の宿泊施設等を提供する宿泊療養の運営に関する留意点等を整理したところでございます。こうした対策につきまして、厚生労働省に相談していただいた上でそれぞれの都道府県において判断されるものというふうになってございますが、その際に、宿泊施設等での療養を行うかどうかも含めて、同様に都道府県の方で判断されるものでございます。

 このような取組も含めて、重症者への医療に重点を置く医療提供体制の整備に早急に努めてまいりたいと考えております。

(新谷委員)
 ありがとうございます。やはり、今のうちにこういった対策をしておくことが何よりも重要であるとは考えております。ぜひ、都道府県との連携をお願いしたいと思います。

 これは当たり前の話でありますけれども、宿泊施設の関係者、これは感染症のプロでもなければ経験があるわけでもございません。やはり皆さんはこういったことになれば不安を感じる、そのように思います。国を挙げて対応するためにも、このスタッフの方々にしっかりと国が寄り添ってサポートする、そのような対応を切に望む次第でございます。

 全国的に、保育あるいは通所の介護や障害者施設におきまして、職務従事者あるいは利用者の新型コロナウイルス感染が散見されるようになってきているところでございます。感染が拡大すれば閉園、閉所となるところではありますけれども、施設関係者、利用者が濃厚接触をした場合、ちょっと先ほどと重なるところではあるんですが、あるいは、発症者がいなくても地域で感染が拡大している、そういった場合などにおきまして、施設をどのようにするか、判断に迷うケースがふえてきている、そのように伺っております。

 利用者のさまざまな要望、あけてくれとか、続けてくれとかというのもあるでしょうし、さまざまな要望、不安が交錯する中で、やはり、ここにおいても、施設と国、自治体において共通のフォーマットとなるような考え方がしっかりと示される必要があると考えております。ここに関して政府の考えをお伺いしたいと存じます。

(渡辺政府参考人)
 まず、保育の関係についてお答えしたいと思います。

 保育所の関係でございますが、先般の全国の一斉休業の際も、保育所は原則開所としつつも、保育所の園児や職員が罹患した場合、又は地域で感染が拡大している場合には市区町村において臨時休園を検討することも考えられる旨、お示ししてきたところでございます。

 これに加えまして、今般、都市部を中心に感染者数が増加している状況を踏まえ、先般の専門家会議で感染拡大警戒地域とされたところにつきましては学校の一斉臨時休業の検討もすべしということが文科省の方からも出されました。これを受けまして、私どもの方でも、四月一日付で通知を出しまして、この感染拡大警戒地域におきましては、保育につきましても、保育の提供を縮小する、あるいは臨時休園を検討するということを示したところでございます。

 ただ、保育所の場合は、医療従事者を始め、ライフラインなど社会の機能を維持するために就業を継続することが必要な方、あるいは一人親家庭など仕事を休むことが困難な方、こういった方のお子さんの保育はしっかり確保するということもあわせてお願いしているところでございます。

 国としましては、こういった考え方について自治体に対して丁寧に説明するとともに、今後とも、自治体との連携を密にして取り組んでまいりたいと考えております。

(新谷委員)
 ぜひ、連携をしっかりお願いしたいと存じます。

 最後になりますが、マスク、消毒液についてお伺いをいたします。

 現在、転売を禁止して、二十四時間体制の増産をお願いしているところでございますけれども、依然として医療機関には供給不安があるところでございます。感染拡大、こういったことが起こる前にも、院内感染対策は常に課題となっているところでございます。

 医療機関へのマスク、消毒液に関して、これまでの供給に対する取組と今後の方針に関して一言お伺いしたいと思います。

(吉田政府参考人)
 お答えいたします。

 医療機関、医療現場におけるマスクの不足に対しましては、まず一つとして、マスクの在庫が不足する医療機関に対しては、各都道府県の備蓄の放出をお願いしてまいりました。

 さらに、在庫の不足する医療機関に対しましては、まず、国の省庁の保有するマスク二百五十万枚を放出いたしまして、三月十八日めどでといいますと、ちょっと若干地域によってずれておりますが、医療機関などに配付をさせていただきました。また、メーカーへの増産のお願いと輸入の拡大によりまして、千五百万枚のマスクを国として買い上げさせていただき、四月一日めどでというのは若干ずれておるかもしれませんが、各医療機関に配付を済ませております。これに加えまして、来週にはまた追加で千五百万枚を配付をさせていただく予定であります。

 地域全体として需給はまだバランスしてございませんが、必要なところについては、そのニーズも伺いながら、国として必要な買上げを行い、提供させていただきたいというふうに思います。

(新谷委員)
 ありがとうございます。今後もぜひよろしくお願い申し上げます。

 連日、厚生労働省の皆様も、激務の中、大変お疲れのことと思います。ぜひ御自身もお体にお気をつけられて、また、激励を申し上げる次第でございます。

 本日は、まことにありがとうございました。